わたしのしあわせ
そんなことを考える、金曜日の昼下がり。ドラッグストアで。
たとえば、ファブリーズ(お日様のかおり)の詰め替えを買った。
いつもはリセッシュなのに。少しだけ高いファブリーズ。
それがものすごくいい匂いだった。枕とラグに吹きかける。
おひさまのにおい。まさしく。
あと、ファーファを詰め替えじゃなくてボトルを買った。
あつい緑茶とたいやき(120円)でほっと息をついて、
読みたかった本を積み重ねる。
あれ、わたし幸せだな。
大人の女っていうのは、もっとたくさんのものに囲まれていないと、しあわせじゃないんじゃないかと思ってた。
くだらないことだけど。
「自分へのご褒美」で買ったバッグとか、新しい化粧品とか、そういうものもの。
でも120円(時間が遅ければ100円に値下げされる)のたいやきで
わたしはこんなにもほっとする。
わたしの人生。
会いたいと、
ここにくれば私がいてくれると、思ってくれる人たちが
数人いる。
そのしあわせ。
ささやかだけど、毎晩時間を割いて、
自分の時間をわたしに使ってくれるひと。
そのひとに面白い話をしてあげたい。笑って欲しい。
時間をくれて、ありがとう。
自分への欲なんてささやかだ。
リセッシュとファブリーズの差なんて100円に満たない程度だ。
なんとなくはじめて買ったお豆腐がおいしかった。しかも値引きされていた。
今まで知らなかったことを知れたささやかなよろこび。
読みたい本が重なっているし、
ファーファはたっぷりで次のシーツはきっともっといい匂いになる。
おねぎをたっぷりお味噌汁にいれたら、甘みがじんわりでて、絹ごし豆腐のするりとした舌触りが幸福だった。
あの香ばしさとおだしのつまった湯気。
つまりわたしは、しあわせだということに気づいた。
23歳、3月の始め。
残りの欲はきっと、自分じゃない誰かを満たすためにある。
そう信じるから、私は私の時間を喜んで、あげるんです。
読みたい本は足元に積んで、
笑い声を噛み殺して、
しあわせな顔で。